NHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜前8・00)の語りを務めるお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さん(55)は、ヒロイン・奥原なつ(広瀬すずさん)の戦死した父親役としても、娘を見守る温かく優しい声が好評でした。
内村光良さんは朝ドラの語りに初挑戦で、「修行」「孤独」「脳が疲れる」と苦労しながらも「親孝行」の喜びも感じたとのこと。
週1で東京・渋谷のNHKに通った日々を振り返り、「なつぞら」の舞台裏を明かしました。
節目の朝ドラ通算100作目だった「なつぞら」のあらすじ
今回の「なつぞら」は節目の朝ドラ通算100作目でした。
大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(52)が手がけています!
そして「なつぞら」は、2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。
戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつが、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描いています。
内村さんが朝ドラの語りに初挑戦!舞台裏も
内村さんがドラマの語りを担当したのは初めて!
東京にいる兄・咲太郎(渡邉蒼)に会いたいと家出した8歳のなつが1人河原に残され、父の形見の手紙を読んだ第9話(4月10日)ラストの語りがこちら。
「こうして、なつにとって、その日は夢のような1日になりました。なつよ、私は約束通り、今もおまえと一緒にいるよ」
「なつぞら」を視聴していたほとんどの方が驚いた場面だと思いますが、この場面でナレーションが1人称になることによって、実は「語り=ヒロインの父親」という設定が明らかになりました。
ナレーションの“正体”が途中で分かるという異色の仕掛けでしたが、その部分について内村さんは
「最初の難しいところでした。途中からエノケンさん(榎本健一)の歌(「私の青空」)に行くんです。ナレーションはほぼ一発OKでしたが、歌だけはかなりテイクを重ねて録り直しをさせてもらいました。歌にはあまり自信がなくて、やっぱりドラマをぶち壊しちゃいけないので」
と語っています。
内村さんは朝ドラの初語りを「修行」と表現
今回朝ドラの語りに初挑戦した内村さんですが、この挑戦についてこう語っています。
「今回、挑戦してよかったのは、熊本の両親への親孝行です。毎朝、見てくれるので。もう耳が遠いので、字幕付きで見ていますが、そうすると『今、我が子がしゃべっている』と分かりますから」
このように語りの仕事を「修行」と表現。
「ブースから出てきたら、ちょっと痩せているぐらい、というのは冗談ですが、それぐらい本当に難しくて、脳が疲れるんです」
内村さん自身がナレーションには魂を込めているとも仰っていましたが、普段からMCなどをこなしているベテランでもここまでつかれるとは少し驚きです。
さらに、新鮮味を失わないように、台本は自分のナレーション部分までしか読まないようにするという配慮もしていたそうです。
内村さんが特に印象に残ったナレーション
内村さんが特に印象に残っていると語ったナレーションは、なつが生き別れた妹・千遥と十勝で会えず、千遥が柴田家に残したピンクのワンピースを、なつが抱き締めるシーン(第83話)だそう。
「台本には『なつよ、千遥を抱っこしてやれ』と書いてあったんですが、あそこだけはディレクターさんに頼んで『なつよ、千遥を抱き締めてやれ』に変えてもらいました。それを口にした時は悲しかったんですが、それは父親目線でもあり、『ちょっとぐらい会ってもよかったのに』という視聴者目線でもあり。ホロッときて、ちょっと泣きましたね」
この他にも、なつが喫茶リボンでオムライスを食べ、口の上にケチャップがついたシーンの「なつよ、まずは口を拭け」という部分については
「ああいうツッコミの役割の時は楽しかったですね」
と、内村さんらしさが見えてくるコメントも残していました。
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